2014年1月1日水曜日

北欧人とノルドの名前

1日は トシコシダー! と、夜中に小さく叫んで新年を迎えました。
もうすぐ2日になりそうですが、あけましておめでとうございます。

いろいろ調べ物をしていて、ほう、と思ったものをいくつか書いていきます。
既に知っている人にとっては何てことない知識ですが。


スカイリムのノルドたちの名前は、当然北欧諸国の人名に基づいています。

例えば○○ビョルンという名前の人。アーンビョルン(Arnbjorn, 闇の一党)、アスビョルン(Asbjorn, バリマンド様の弟子)、サビョルン(Sabjorn, ホニングブリュー醸造所オーナー)くらいですかね。北欧国独特の母音がいくつかあるので、『ビョルン』のスペルは国や時代によって若干違ったりしますが、前者二つは実際に使われています。サビョルンは例外で、現実世界では使われません。スカイリムはあくまで“北欧風”なので、これと同じようにちょっと違う名前がちらほらあります。それについてはまた後ほど。
 さて、この『ビョルン』というのは『熊』を意味します。そのままでも一つの名前ですが、他の語と組み合わせた名前が数多く存在します。ファルビョルン(Farbiorn)、ノルビョルン(Norbjorn)、アダルビョルン(Adalbjorn)などなど。挙げればきりがありません。

ほうほうと思いつつ調べていると、やはり法則性が見えてきました。やっぱりどの文化でもそういう法則があるんですね。

『ビョルン, BJORN』という語が意味を持っているように、他の語にももちろん意味があります。
『ファル, FAR』・・・移動や通路(船によるもの)、船など
『ノル, NOR』・・・北
『アダル, ADAL』・・・高貴なもの

もちろんビョルンだけでなく、様々な語が組み合わさって、様々な名前が存在しています。
これらの意味はスペルと同様、 時代や国によって変わってきます。
スカイリムは中世くらいの時代だと思うので、名前も古いものを使っているのかと思ったんですが、ノルドたちの名前を見てみると、比較的新しい名前もあるんですよね。おもしろいです。
地域ごとに、新しい名前や古い名前の使用傾向があったりするのか調べようかと思ったんですが、ギリシャ語や北欧独自の母音記号と格闘していたらそんな気力は吹っ飛びました。ホント何アレ。


次に、北欧人名とノルド人名のちょっとした違い。
ますば『ウルフリック西尾!』と歌われ続ける、ウィンドヘルムの某首長。
あの方の綴りはUlfricですが、北欧人名ではUlfrikとなっています。Kが真の北欧綴りで、Cはまぁ、あの・・・言うなればモドキです。
某首長がお亡くなりになってから就任なさるブランウルフさんも、実際の北欧にはない名前らしく、もちろんBrunとWulfはそれぞれ意味を持っていますが、使われない組み合わせのようです。ちなみに『BRUN』は、輝く、茶色の、という意味があるようです。毛並つやつやの狼ですか。
 
というわけで北欧人名とノルド人名は若干違うので、スカイリムにフィットする手頃な名前をお探しの方は、UESPに頼った方がいいと思います。どう飛んだらいいか分からんよという方はこちらから。


それから前々から気になっていた『ウルフ』の違い。
某首長もウルフ、ブランウルフさんもウルフ。ウルフガー師もウルフ、ソブンガルデにいらっしゃる終わりなきウルフガルさんもウルフ。同じ綴りかと思っていたんですが。
某首長:  Ulfric
次期首長: Brunwulf
お師匠:  Wulfgar
英霊さん: Ulfgar
違うらしいです。まぁ意味には大した違いはありません、狼です。 北欧ではさらにバリエーション豊かで、Ulf, Wulf, Wulff, Vulf などがあります。
ただ疑問なのが、同じ『gar』なのにガーになったりガルになったりしていること。本当に発音が違うのか、あるいは翻訳者やその好みの違いか。多分後者だとは思いますが。


そして私の目に異色に映ったのが、ユンゴルやイスグラモル、つまり頭文字にYがくる名前。
私の感覚ですが、多少なりとも高貴な名前なんじゃないでしょうか。UESPで見る限り、スカイリムでYが頭文字なのは先ほどの二人、ユンゴルとイスグラモルに加えて、ユルガー、イスミール、ユスト、ユルサラルド、イングヴァー。女性はイソルダとイアサのみ。
イスグラモルは言わずと知れた同胞団の長。ユンゴルとユルガーはその息子。ユストは『帰還の歌 第7章』に名前があり、イスグラモルの親友の中でも最強の中に数えられた人です。イスミールは『北の竜イスミール』として、ウルフハース王と、タロスことタイバー・セプティム、そしてドヴァーキンの異名になっています。ユルサラルドは王の宮殿にいるストクロ将校。
以上のことから・・・え?まだいる?いや他の人は、まぁ、名前負けしているんだと思います。
歌い手のイングヴァーは、He is clearly a brute. (彼は明らかに人でなし)』とUESPに明言されていますし、ホワイトランのイソルダは、麻薬取引までやってしまう商人見習い。マシなのはスコール村のイアサさんくらい。彼女のスノーベリーパイは絶品だそうです。

加えて、北欧において人名に使われるYng あるいはIng という語の由来は、北欧神話のフレイの本名、ユングヴィ(Yngvi)なんだそうです。Wikipedia先生によると『ユングヴィ(もしくはイングヴィ)は、スウェーデン王家における伝説的な王朝、ユングリング家の血統の祖先である。最も初期の、歴史上実在したとされるノルウェーの王は、その血統から分離していったともいわれている』、つまり王統を象徴する語でもあると思うんです。今は一般的な名前になっていますが、高貴な名前であることに変わりはありません。
かのトールキンも、全てのエルフの上級王イングウェ(Ingwë)の名にそれを用いています。
イングウェに関する詳細:異伝を参照
さすがトールキンと思いました。設定の全てが知識に裏打ちされていて。エルフの名前も日本人からすれば馴染みのない文字の並びですけれど、綺麗な音ですよね・・・


それから女性の名前を見ていてほうと思ったのが、エリシフさん。長くなりますが。

エリシフ(Elisif)というのはエリシフ(Ellisif, Lを一つ追加)のまた別の形。
そのエリシフ(Ellisif)というのはエリザベータ(Elisaveta)の北欧風。
エリザベータ(Elisaveta)というのはエリザベト(Elisabet)のロシア版。
エリザベト(Elisabet)というのはエリザベス(Elizabeth)のスカンジナビア風。

つまり何が言いたいかといいますと、『エリシフ』は元を辿れば『エリザベス』であるということ。
エリザベスは一般的な名前でもありますが、歴代英国女王や王女の名前のイメージがありますね。
そこに何となくベセスダの思惑があるような・・・いや深読みしすぎとは思いますが。
それからこの名前の変化っぷりを見ていただきたかったので長々と書きました。

ちなみにこの英国人名エリザベス(Elizabeth)はヘブライ語名 Elisheba に由来するそうです。
(当たり前ですが私はヘブライ語は読めませんのでカタカナに直せません)


北欧人名が詳しく載っているのはこちら
海外サイトですが、少し英語ができれば満足のいく情報が得られるはずです。私もまだまだ使いこなせていませんが、使い方ぐらいでしたら答えられますので、その際はお気軽にどうぞ。

エリザベスがヘブライ語名に由来するとの情報はこちらから。
※ただし
『故意に嘘を書いたことはありませんが,資料の読み損ないやタイプミスにより,結果として間違っている箇所があるかもしれません。ご利用は自己責任でお願いします。基本的に「RPGゲームキャラ命名」など,遊び系の目的に使うことを目的としたデータです』
とありますので、ご注意を。

言うまでもありませんがこのブログにも全幅の信頼は置かないでください。
(胸を張って言うのがそれか)